gigbase不動産ソリューションは、不動産業の現地業務支援サービスです。マンション・アパートなどの共用部の清掃や点検はもちろん、写真撮影・現地調査・ソフトクレーム対応から空き家の管理まで、全国6万人超のタレントネットワークで幅広くこまやかな対応を行います。多忙な不動産管理会社の手がなかなか行き届かない部分までサポートすることで、管理会社とオーナー様の良好な関係構築に貢献します。

今回はサービス導入の効果やメリット、今後の展望について、ギグベース株式会社 代表取締役社長の田中さんにお話を伺いました。

インタビュー企業

サービス名gigbase不動産ソリューション
サービス提供企業ギグベース株式会社

お問い合わせ

物件の現地作業を代行する「gigbase不動産ソリューション」とは

はじめに、サービス概要についてお聞かせください。

gigbase不動産ソリューションは、不動産管理会社やオーナー様に代わってあらゆる現地作業を行う支援サービスです。実際に現地の作業を担うのは「ギグタレント」と呼ばれる方で、全国で約6万人が登録しています。ご家庭の事情に合わせてスキマ時間に仕事をしたい方や、副業として休日のみ利用する方など、その働き方は様々です。

管理会社やオーナー様から現地作業の発注を受けると、gigbase不動産ソリューションを通して作業可能なギグタレントをピックアップし、業務を委託します。ギグタレントの皆さんにとっては自宅近くで仕事を見つけることができますし、管理会社やオーナー様にとっては作業員に支払う交通費を削減できる、お互いにとってメリットの大きいサービスです。

現在、サービスを導入している不動産会社様はどのくらいいらっしゃいますか。

およそ1000の不動産会社に導入いただいています。エリアは北海道から沖縄まで展開しており、それぞれの場所でギグタレントの皆さんが活躍しています。ギグタレントの男女比は半々で、年齢も20代から50代まで幅広く在籍していますが、近年は65歳以上の定年退職後にギグタレントになる方も増えてきました。

gigbase不動産ソリューションで主に発注を受ける仕事内容は、不動産会社が持つ管理物件の清掃や点検、入居者募集用の写真撮影などが主です。マンションやアパートといった集合住宅が中心ですが、最近は月極駐車場やカーシェア、空き家の管理のお手伝いにまで範囲が広がっています。

管理戸数の多い会社に限らず、個人の家主さんや管理戸数100戸ほどの会社からも引き合いをいただくケースが増え、当社のサービスが徐々に認知・浸透してきたのではないかと感じています。

コスト削減と高い品質。「gigbase不動産ソリューション」が持つ多数のメリット

「gigbase不動産ソリューション」を導入するメリットについて教えてください。

コストの面では、既存の清掃業者より10~15%ほど安く提供できます。その理由は、6万人のギグタレントの中から物件の近くに住む人員へ仕事を委託しているからです。移動にかかる時間と経費が少なく、他社に比べて費用を抑えられる点が大きな特徴です。

不動産会社の中には、遠方地にある管理物件のメンテナンスに時間やコストがかかり、頭を抱える場合も少なくありません。しかし、その不動産会社から見て遠方地であっても、全国対応をしているgigbase不動産ソリューションを通して見れば近隣地です。遠くにある物件を見に行く社員の人手が足りない、移動にガソリン代がかかるといった悩みも、当社のサービスで安価に解決できるメリットがあります。

遠方の管理物件は多くの会社が悩む部分ですから、とても助かりますね。他社のサービスと比べて他にも優れているポイントがあればお聞かせください。

物件の清掃サービスを提供する競合他社はいくつかありますが、そちらは人材と仕事のマッチングが主体のため、品質のばらつきが発生する場合があります。その点、gigbase不動産ソリューションではギグタレントへの身だしなみ指導、業務の品質チェックといった研修と教育を必ず実施しています。これにより、どのギグタレントが現地に行っても高い品質でサービスを提供できます。また、作業終了後にはアプリを介して報告レポートを納品しており、これも不動産会社やオーナー様が安心してお任せいただけるポイントとなっています。

導入企業の多くが実感した「現地に作業員が行くからこそ得られる安心感」

「gigbase不動産ソリューション」を実際に導入したお客様は、どのような効果を実感していらっしゃいますか。

ギグタレントが現地で作業した際は報告書を納品しますが、物件の状態が可視化されるという部分で大変好評です。今の建物の状態がわかり、「ここが傷んできています」とか「そろそろリフォームした方がいいかもしれません」など修繕提案も行っています。よくあるのは、排水管の洗浄やフェンスのたわみなどです。オーナー様にご提案すると「気が利くね、そこまで見てくれるとありがたい」と言ってくださり、そのオーナー様の他の物件を任せていただいた事例もありました。

小さな変化にも気づいて報告してくれると、とても安心感がありますよね。

最近は物件管理のより細やかな対応として、「近隣トラブル解決支援サービス」を始めました。これは通常の清掃作業に加え、近隣トラブルやソフトクレームの緊急対応をするというものです。不動産会社のOBが電話を受けて、例えば「電球が切れている」とお問い合わせがあれば電球を取り換えに行き、「他の部屋の騒音が気になる」という場合は掲示板に張り紙を貼る対応などをします。

不動産会社向けのコールセンターサービスは様々ありますが、多くはオンラインや電話だけで解決する場合が多いですよね。しかし、当社のサービスは必ず現地へギグタレントが伺います。張り紙を出して騒音を出す人へ注意喚起するなど、現地での課題を解決するコールセンターである点が特徴です。近隣トラブルは戸数に限らず発生するものなので、これは一定数のニーズがあると考えています。

オーナー様のニーズに寄り添った物件管理を提供

実際に物件の現地作業を発注するまでには、どういったステップを踏んでいくのですか。

お問い合わせをいただいて、お見積もりの提示など何度かやりとりした後に、正式契約となれば当社のアカウントを発行します。現地で作業するたびに、お客様の専用ページに作業報告書がアップロードされる形です。

月額使用料はなく、物件によって金額を事前に決めます。管理会社で統一の価格を設けるというよりは、オーナー様のご意向を汲んでお見積もりに反映させる場合がほとんどです。

「頻度高く現地に行ってほしい」という方から「月1回程度、ゴミが落ちていないか見るだけでいい。金額は安くしてほしい」という方まで、ニーズは千差万別です。それぞれのご要望に合わせてカスタマイズしたお見積もりを発行するようにしています。

一回の作業あたりでは、管理会社様やオーナー様が負担する金額はどれくらいでしょうか。

1回あたり2000円からが目安になるかと思います。もちろん、作業時間や内容によって変化しますが、短時間の作業でもぜひお気軽にお問い合わせいただきたいですね。地方では空き家が増えているため、近年は空き家の現地作業もご要望があります。入居者様が住んでいる物件はこまめに管理しても、空き家まではなかなか手が回らないという管理会社も多いため、好評をいただいています。ご希望に応じて通気や通水、庭の草刈り、清掃などにも対応します。

6万人のスケールメリットを活かし、幅広い現地作業に貢献したい

当社は約8年前からこのサービスを展開していますが、当初はギグタレントの登録者が少なく、地方の管理会社から作業依頼を受けても人員がいないために私自身が清掃にお邪魔したこともありました。

しかし今ではおよそ6万人が登録してくださり、ご利用いただくお客様も順調に増加したおかげで、管理会社の規模や物件の場所に関わらず使いやすいサービスに成長したと思います。

今後の展望としては二つあります。一つは、現在の清掃・点検などの日常的に発生する作業からステップアップし、機械を使った洗浄や法定点検、大型の建物にも対応できるようになることです。今は清掃サービスの側面が強いgigbase不動産ソリューションですが、今後は総合施設管理サービスへとスケールアップを目指します。

そしてもう一つは、ますます地域に入っていくサービスでありたいと考えています。地方には空き家問題で悩む管理会社やオーナー様が多くいらっしゃいますし、遠方の物件や月極駐車場の管理に手が届かない事例もあると考えます。近年はAIが身近になりましたが、掃除や物件のこまやかなメンテナンスは人にしかできません。そんな「人ならではのプロフェッショナルな領域」をさらに突き詰めていき、ますますお客様の物件管理に貢献します。